本当に動物に色は見えてないのか?白黒模様と警告色
「人間以外の動物は色がわからないはずなのに、毒を持つ生き物がド派手な警告色なのは意味をなさないのでは?」というような記事を昨日書きました。
つまり、シマウマなどの白黒の変わった模様は、人間の目には目立ちまくってしょうがない。でもライオンなどのシマウマを襲って食べてしまう動物は色がほとんどわからないので、草と縞模様がいい感じに溶け込んで見えづらくなる。
だからシマウマは白黒の縞模様で敵から身を守っている。
という理屈と
ヤドクガエルやスズメバチなどの毒を持つ生き物は、ド派手な色で身を包むことによって敵に「私は毒がありますよ、危険ですよ」と警告している。ド派手な色で敵から身を守っている。
という理屈が矛盾しているのではないか、という疑問を持ったわけです。
前回の記事では、何も調べずに思うままに疑問を書きつづったのですが、
今回は「モノクロvsド派手」理論に矛盾はないのか、調べてみます。
- 動物の目に見えている世界
- 犬の見え方
- 猫の見え方
- 白黒で身を守る派の生き物
- 白黒で身を守る生き物の「白黒」の意味
- 白黒で身を守る派 まとめ
- 派手な色で警告する派の生き物
- そして派手色派をモノクロ変換してみると
- 白黒模様と警告色の意味 まとめ
動物の目に見えている世界
まずは「人間以外の動物には色は見えてない」というのが本当なのかどうか。
霊長類以外の哺乳類は色の識別能力が低い
(Wikipediaより)
どうやらこれは現在のところ検証済みの事実です。
実際に人間以外の動物にどういうふうに見えるのか聞けるのはドリトル先生くらいなので確かめることはできないし、そもそも見え方を検証するのは難しいです。
でも理論上は霊長類以外の哺乳類は次のように見えるようです。
犬の見え方
出典:Dog Vision
犬は赤緑敷色盲だ。ヒトが赤・緑・青の三色の光を感受することができるのに対し、犬は2つの光波長、紫青と黄緑周辺しか感受できず、さらにはこの色の組み合わせの中でも緑と黄緑、黄色、オレンジ、赤の色合いを区別することができない(下記サイトより)
犬や猫、動物達ってどんな見え方をしているのか? - NAVER まとめ
猫の見え方
出典:Cats Vision: What Does Your Kitty See?
ネコは色が人間とは違って見える。
人間に見られる赤緑色覚異常と似たような世界を見ていると考えられている。
このように人間以外の哺乳類は完全な白黒とまではいかなくとも、人間より色を識別する能力は低いです。
白黒で身を守る派の生き物
まず結論
全ての白黒模様生物に言えることですが
「体の模様をはっきり分けることによって周囲と体の輪郭よりも、体の模様の輪郭の方がはっきり識別できるため、存在を敵に気付かれにくい」
というのがおおざっぱな理屈です。
簡単にいうと
「ここにいますよという境界」より「体の模様の境界」のが目立つから、そこにいることがわかりづらい、ということです。わかる?
そして白黒の生き物はこの大義名分があるので「白黒である」というだけで現在のところ「カモフラージュして身を守るのが目的」に自動的に振り分けられるといった現象が起きています。
それではここからは白と黒のツートーンカラーで人間の目にはいかにも不思議な色を持つ生き物たちを挙げてみましょう。
・シマウマ
出典:なぜシマウマには乗れないのか | 「みんなの乗馬」ブログ
・パンダ
出典:日本パンダ保護協会
・マレーバク
出典:動物図鑑/マレーバク
・シロクロコロブス
・シャチ
・ボーダーコリー(犬)
出典:ボーダーコリー Border Collie | サモエド、ボーダーコリー、スピッツ、しばいぬ、スパニエルのブリーダー【アライ畜犬牧場】
・ペンギン
出典:ペンギン18種類大きさ比べ | Naoさんの絵本ワールド
※ペンギンは一見白黒に見えますが、どの種類も微妙に色が入っているため今回は除外します。
まだまだいるかもしれませんが、まあこんだけあれば考察するのには十分です。
犬なんかはボーダーコリーだけでなく白黒のものが他にもいそうです。
白黒で身を守る生き物の「白黒」の意味
では、それぞれの生き物がなぜ白黒柄なのか、2018年現在世の中的にはどのような理由づけがされているのか見ていきます。
・シマウマ
シマウマの縞模様の効果は、捕食者が狩りの獲物とする個体を識別しにくくすることといわれてきた。これは、霊長類以外の哺乳類は色の識別能力が低いことと関連している。つまり、シマウマの白黒の模様は、霊長類以外の哺乳類が遠くから見た場合には草原の模様に埋もれ判別しにくいとされる。
(Wikipediaより)
ああ、やっぱりシマウマは草に紛れて隠れるためなんだ。
と思いきや、
縞模様が特に天敵を混乱させることに優位ではないということが判明した
シマウマの縞模様は、吸血性のハエの仲間が媒介する伝染病から身を守るためである可能性が高い(中略)
ツェツェバエは色彩が均一な面を好んで着地しシマウマのような模様のある面は避ける傾向にあることが実験により確認されたこと等により、吸血性ハエの被害からの防御と縞模様との関係は「きわめて高い」と結論づけた。
(Wikipediaより)
なんとまあ、シマウマのシマシマは敵から隠れるためではないようです。2018年では。
「シマウマは虫に刺されないようにシマシマ模様」が結論です。まじか。シマシマだと虫に刺されないのか。楳図かずおは虫に刺されないのか。すげえな。
出典:楳図かずお 近隣住民に訴えられた自宅から引っ越しか - ライブドアニュース
・パンダ
では、次にパンダ。これはもう敵から身を守るためっぽくないです。
私の説では「人間にかわいがってもらうため」です。
人間に特別視されてアイドル扱いされれば人間がいろいろ優しくしてくれて、結果繁栄しますからね。
しかも2018年現在はまさにそうなっています。
上野動物園のシャンシャンも大人気です。
※パンダがなぜかわいいのかの考察
この模様や色使いは「単独行動が維持できるように近すぎる距離での遭遇を回避するのに役立っている[10][11]」「周りの景色に溶け込んで外敵の目から逃れるためのカモフラージュの役割を果たしていた[12]」等と考えられている。
(Wikipediaより)
もちろんWikipediaの情報が全て正しいわけではありません。ただ、今現在最も一般的な情報ではあるはずです。
そしてこのパンダの模様に関しての記述は全く役立たずです。
Wikipedia以外でパンダの白黒模様についての情報がありました。
こちらの記事によるとパンダの模様が白黒な理由は単一ではなく、複数あるようです。
もっと言うと部分によって理由は違います。
簡単にまとめると
・顔はコミュニケーションのため
・白い部分は雪に隠れるため
・脚の黒い部分は陰にかくれるため
ということになるのですが、
後付け感がものすごい。
全体に白黒なのに、部位によって白黒の理由が違うとか、全く納得できません。
じゃあ体は白黒で顔は全く違うカラーリングでもよかったんじゃないでしょうか。
あるいは真っ黒でもよかったし、熊と同じように茶色でもよかったんじゃないでしょうか。
どっかの研究機関がものすごい量のデータを分析して出した結論らしいのですが、全然説得力がありません。
また、進化論にも相当な違和感があります。
パンダを見る限り、進化の過程で熊がどこかで分岐してパンダの白黒模様になった、とするのは相当な無理があります。
つまりパンダの存在はなんなら進化論をも否定してしまう可能性を秘めています。
なんかでかい話になってきました。
都市伝説テラーの私の意見は
「パンダはもともと何者かに白黒でデザインされた生き物」
あるいは
「作ってみたらなんかいいかんじに白黒模様のかわいい熊になってしまった」
という方がしっくりきます。
もちろん、現時点では進化論に代わる生物多様性を説明するための理論は一般的には存在しないし、「生き物をデザインした何者かの存在」も証明されていませんので、トンデモ論であることは間違いありません。
でも私は、そう遠くない将来に「地球上のすべての生き物をデザインした存在」が証明されると思っています。
あるいはもう1部の人たちはそういった存在を知っているのかもしれません。
知っていて、あえて知らせないようにしているのかもしれません。
何らかの思惑によって。
信じるか信じないかはあなたしだい。
まあいいや、それは。
話がだいぶそれたので戻します。
結論を言うと、2018年現在「ほほう、なるほど!」となるパンダの模様についての定説はないようです。
・マレーバク
頭部から肩、四肢の体色は黒く、胴体中央部の体色は白い[2][3]。これにより夜間では白色部が際立つことで輪郭が不明瞭になり捕食者に発見されにくくなると考えられている
(Wikipediaより)
マレーバクもカモフラージュのようです。
また独特の模様から現地では神様がつぎはぎして作ったと思われていました。
タイの山岳民族の間では神が余りものを繋ぎ合わせて創造した動物とされた
(Wikipediaより)
こういう発想の方が私は好きです。
しかしながらマレーバクははじめの「結論」以上の理由はないです。
・・・。
・・・・・。
そんなわけあるか!
ちなみにマレーバク以外にもバクはいます。
他のは白黒じゃないです。
白黒じゃない「アメリカバク」。夢を食う。まじっすか。
出典:アメリカバク | 上野動物園の動物情報 | 上野動物図鑑
マレーバクだけ白黒なのはなぜなのかの理由づけには程遠いです。
マレーバクが白黒なのを見て
「あー、あれはほら、あれだよ、身を守るため、な」
と後付けで思い込みで先入観でてきとーに理由づけした感がものすごいです。
そう、私が欲しい答えはこれじゃないのです。
マレーバクがなぜ白黒なのか?と聞いたなら白黒じゃないバクとなぜわざわざ違う模様なのか、を知りたいのです。
当たり前じゃないっすか。
マレーバク単体で「カモフラージュだから」って言われたって、「いや、じゃあなんで他のバク白黒じゃないの?説明になってないよ」ってなりませんか?なるよ。なるんだよ。
基本白黒の理由づけはこんなんばっかです。
なので、シャチ以下シロクロコロブス、ボーダーコリーはもう省きます。
参考までに先ほどの画像を白黒に変換したものを貼っておきます。
さあ、カモフラージュで見えづらくなってるかな?
結論:カモフラージュできてるのかようわからん。びみょー。
ちなみに色が派手な生き物を白黒変換するとこうです。
ハイイロクビワヘビ
名前がハイイロクビワヘビだそうです。
コイツのどのへんが灰色なんでしょうか?
こんなものすごい色なのに。名前に「ハイイロ」いれるとか。ネーミングのセンスにもつっこみたくなります。
あっ!ハイイロだ!って当たり前ですが。むしろ黒か。
白黒で身を守る派 まとめ
確かに人間以外の動物の目はあまり色を識別できないようです。
だからと言って白黒で有効に身を隠せるのか?と言われるとこれは微妙です。説得力なさすぎ。
派手な色で警告する派の生き物
さあ、やっとここから派手な色派です。
すでに4600字。だいぶめんどうになってきました。
読んでいるあなたもここまでよく読みましたね。
そろそろ離脱ですかね。
・ヤドクガエル
出典:ヤドクガエルの種類、危険な3種とペットとして人気の5種をご紹介! | 危険生物.information
はあー・・。どうでしょう。
美しいですね。毒とかいう前情報なければもうほんとにきれいです。
でも赤いのとか黄色いのはマジで「うらあああ!危険だぜええええ!」と全力で訴えていますね。
・スズメバチ
出典:スズメバチに刺される原因と寄せ付けない方法 | スズメバチの知恵袋
こいつもヤバいですね。
「俺に触るとケガすんぜ」と背中で語ってます。
・ハイイロクビワヘビ
まあさっきのです。
確かにこいつらヤバいですね。
ただやっぱり「危険そうだからビビる」というよりは「きれいすぎてつい触ってみたくなる」感が強いです。人間だけでしょうか?好奇心のなせる業でしょうか?
そして派手色派をモノクロ変換してみると
ほれみろ!
やっぱり派手な色なんか関係ないじゃないか!見えないじゃないか!おかしいじゃないか!ちょ、でてこいよ、さかなくん!ちゃんと説明してみろよ!どういうことなんだよ!
極めつけはこれです。
おい!ちょっとこれ完全に溶け込んじゃってんじゃん!全然目立ってないよ!
ちなみに元画像。
白黒模様と警告色の意味 まとめ
結論:完全に矛盾している
どうなってんすか?これ?
せっかく半日くらいかけて調べたのに、やっぱり予想通りじゃないっすか。
ていうか白黒模様はあんまり上手に身を隠せているように見えないし、派手色は完全に身を隠せちゃってるのもいるじゃないですか。
これは白黒を研究している人と、派手色を研究している人が完全に独立してお互いのこと知らんぷりしてきた結果なのでしょうか。
簡単にいうとコミュニケーション不足でこんなことになってんでしょうか。
この問題に対して誰か疑問を持った人は長い人類史の中で皆無だったのでしょうか。
誰か答えを知っているなら教えてくれるとうれしいです。
おしまい
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