転職するなら求人欄のここをチェックしよう 企業サイトで簡単にわかるブラック度
私が絶賛社畜中のブラック企業のホームページがオープンしました。
いろいろつっこみどころ満載な企業サイトになっていますが、詳細は曝せません。
いちばんびっくりしたのは「会社概要」ページに載っていた文言です。
【私どもの経営理念は「ゆとりある人生」です。】
まず、経営理念なんてものがあることを初めて知りました。
さらに「ゆとりある人生」という言葉も社長の口から発せられたことはありません。
「休みなく働く」なら聞いたことがあります。
「権利を主張する前に義務を果たせ」もよく聞く言葉です。
そして都合が悪くなると「これが会社のルールだから」というのもよく聞きます。
でも社長の経営理念の中に「ゆとりある人生」などという言葉があるなんて、まったく予想だにしていませんでした。驚きです。
「採用情報」ページはこうなっている
「休憩時間120分」「時間外月平均20時間」等つっこみどころは満載ですが、
「年間休日数68日」
ときっぱり言い切っているところにある意味すがすがしさを感じます。潔いです。
「年間休日数68日」で「ゆとりある人生」は可能か?
結論から言うと「年間休日数68日」では「ゆとりある人生」を実現するのは不可能です。
単純に1年に52週で日曜日のみの休みで年間休日数52日。
あと16日で68日ですから、年末年始・GW・お盆で5日ずつくらいな計算です。
これ労働基準法に違反してます。
単純に年間休日数を規定している労働基準法の基準はありませんので、これ自体で即違法、というわけではありませんが、週40時間を超える労働は時間外労働となりますので、年間休日数68日は採用条件として問題アリです。
「休憩時間120分」として、1日7時間(9時間拘束7時間労働)で6日間=42時間に、さらに時間外月平均を20時間にして、労働基準法違反を巧みにごまかそうとしてるところがさらに悪質さを感じさせます。まったくごまかせてはいませんが。
そもそも普通に休憩時間一日当たり2時間とか見たことも聞いたことも体験したこともないです。お昼休みだってこっちがメシ食ってんのにぼんぼん仕事投げてよこします。
「今メシ食ってんですけど。みてわかんないの?」
と言いたくなります。
しかも残業したってすべて「みなし残業」として給与に含まれている、というのが社長の伝家の宝刀「この会社のルール」なので、従業員誰一人として今まで時間外手当を支払われたことはありません。
前にも書きましたが「会社のルールを守れ」とすごむ前に「社会の法律を守れ」と切り返したいです。
結論を言うと
労働基準法に違反する労働時間を課したのでは「ゆとりある人生」を送ることは不可能です。
自分でひどい労働時間を要求しておいて経営理念が「ゆとりある人生」とか言ってしまえるなんて、この人アタマがどうかしているんでしょうか?
それとも矛盾しているとわかっていてだませると思っているのでしょうか?
従業員をなめているわけですか。こいつは。
採用情報とまったく一致しない「1日の流れ」
さらにすでに働いている先輩社員の「1日の業務の流れ」を紹介しているページがありました。
これによるとまず「8:30に出勤」して「18:30に業務終了」だそうです。
さっきの「9:00~18:00」という勤務時間はどこへいったんでしょうか?
さらに「休憩時間120分」はどこへいったんでしょうか?
これによると「昼食」時間として60分しか休憩がないように見えますが?
え?おい?どうなんだよ、おまえ?
誰かこの矛盾に気がついて指摘する人はいなかったのでしょうか?
このサイトを制作したのはもちろん外注ですが、カネさえもらえばそんなことどうでもいいのでしょうか?
ブラック企業に集まってくる業者たちもヒドイのが多いです。
カネさえもらえれば法律に違反してようがまったく関係ありません。
ここに出入りしている社労士なんかはむしろ法律違反がバレないようにいろいろ指南しています。タイムカード係作って勝手に9時6時で押しとけ、みたいなありがたい指導です。
一時停止で待ち伏せして違反切符切る警察官の時も述べましたが、おまえらの本来の業務は全く逆のはずです。
違反しないように指導するのがおまえらの仕事なはずです。
そういうふうにできないのならはじめからそんなご大層な仕事に就かなければいいのに。
私は医者や弁護士など、その人の人生や生命を左右してしまうかもしれない職業は絶対に就きたくありません。
私の仕事観は全く異なっていて、あくまで「人生を楽しく生きるためにお金が必要だからお金をもらうために働く」というモノですので、仕事に対して重い責任を持つことがイヤだからです。
絵描いてたら絶対に人は死にません。
私の絵を見て自殺したくなるような気分になることがあったとしても、それは私の仕事に関しての落ち度でそうなったわけではありません。
でも少なくとも社労士の仕事はカネを払う経営者の言い分を鵜呑みにして法律の抜け穴を指南することではなく、本当に会社の成長を考えているのならとりあえずこれだけでも改善していきませんか、くらいの提案とかしてほしいもんです。
転職する際に必ずチェックすることまとめ
ここではサイトはさらせませんが、この会社のサイトは一見したところよさげな企業に見えます。
でも中身は全く違います。
あなたもだまされないように、転職する際に気をつけなければいけないことを以下にまとめます。
・「年間休日数」が少ない
「年間休日数」が極端に少ない場合は従業員をこき使う気がマンマンです。
そしてそれはそのまま「残業の多さ」「休日出勤の多さ」につながります。
さらに時間外手当を払うつもりも全くないと思いましょう。
・「年間休日数」が少ない
項目名はまったく同じですが、「社員を休ませるつもりがない」ということは、そっくりそのまま「いくら働いても給与を上げるつもりはない」と同意義です。
いっぱい働いても当たりまえ、という考え方は「なるべく少ない給与でこき使いたい」ということです。だから基本給も安いですし、時間外手当もないです。
・「年間休日数」が少ない
休みが少ない、給与も少ない、では当然「ゆとりある人生」は達成できません。
達成できないどころか、夢のまた夢、寝言は寝て言ってくれ状態です。
なので入社した社員もすぐに辞めていきます。
常に人手不足状態が慢性化してますので、残っている社員の業務量は増えていく一方です。
そして「業務量が多い」→「時間外が増える」→「休日がなくなる」→「でも時間外手当はない」→「休みもない、カネもない」→「辞める」というループが続くので、会社としてもまったく成長していません。
・「年間休日数」が少ない
つまり「年間休日数」が少ない、という1点で簡単にブラック企業度が判断できます。
「年間休日数が少ない」会社は時間外手当もない、なんなら休日もほとんどない完全なブラック企業ですので、絶対に年間休日数をチェックしましょう。
まったく役に立たない情報ですが、あなたの転職の参考になれば幸いです。
おしまい
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