前回「進撃の巨人」の主人公エレン・イェーガーの名前の由来は映画「トランスフォーマー」だ、という話をしました。
簡単に言うと脚本家のアーレン・クルーガー(Ehren Kruger)と第2部からの主人公ケイド・イェーガーを掛け合わせたものが「エレン・イェーガー」だ、という主張です。
ただここには大きな問題点があります。
もうあなたもわかっているはず。
エレンの名前の元ネタが映画「トランスフォーマー」でありえない理由
もう結論から言いましょう。
その矛盾点とはズバリ「時系列」です。
「進撃の巨人」の方が「トランスフォーマー」より先なので、「トランスフォーマー」を元ネタにすることはできないのです。
でも、まだ疑問は残ります。
それはエレン・イェーガーの前任(正しくは前々任)の進撃の巨人所有者「エレン・クルーガー」です。
「進撃の巨人」と「トランスフォーマー」の時系列
マンガ「進撃の巨人」は2009年10月に連載を開始しています。
一方映画「トランスフォーマー」の公開は2007年。
それなら一見矛盾はないように見えます。
しかし映画「トランスフォーマー」シリーズにアーレン・クルーガーが脚本として参加したのはシリーズ2作目の「トランスフォーマー/リベンジ」からです。
この2作目「トランスフォーマー/リベンジ」の公開は2009年6月です。
でもまあこれならギリ間に合ってます。
しかしながら映画「トランスフォーマー」のはじめの3部作は主人公の名前はサム・ウィトウィッキーです。朝無理やり英会話を強いるあの人みたいな名前です。知らないか。
出典:【ウィッキーさんのワンポイント英会話】朝の顔だったこの人の今は - Middle Edge(ミドルエッジ)
つまり、ここまで「エレン」(だいぶこじつけ)「クルーガー」という単語はあっても「イェーガー」は全く登場しないのです。
トランスフォーマーの主人公に「イェーガー」がつくのは第4作目の「トランスフォーマー/ロストエイジ」からです。
そして「トランスフォーマー/ロストエイジ」の公開は2014年6月なのです。
マンガ「進撃の巨人」にエレン・クルーガーの名前が初めて登場するのは単行本なら22巻。
22巻は2017年4月に発行されています。
もちろん、連載は先行して発表されていますのでもっと早いですが、少なくとも2016年でしょう。冨樫や井上じゃあるまいし。
つまり、最後の「エレン・クルーガー」の名前の由来については、もしかすると脚本家アーレン・クルーガーと主人公ケイド・イェーガーの奇妙な一致に気がついた作者の諌山創が利用した可能性はあります。
ここまでの経緯を時系列でまとめ
2007年6月 映画「トランスフォーマー」公開
2009年9月 映画「トランスフォーマー/リベンジ」(2作目)公開
アーレン・クルーガーが脚本として参加
2009年10月 マンガ「進撃の巨人」連載開始(主人公「エレン・イェーガー」)
2014年6月 映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」(4作目)公開
主人公が「ケイド・イェーガー」に
2016年ころ マンガ「進撃の巨人」に「エレン・クルーガー」初出(名前)
さらにまとめ
こうして時系列で追っていくと、
作者が主人公に「エレン・イェーガー」という名前を付けた元ネタは判明しませんが、少なくとも映画「トランスフォーマー」とマンガ「進撃の巨人」には奇妙な共通点がある、ということはよくわかります。
私の推測ではトランスフォーマーの脚本家アーレン・クルーガーが「進撃の巨人」を知り、主人公の名前「エレン」に自分の名前との共通点を見出し、第2部(4作目「ロストエイジ」)の主人公として「イェーガー」の名前を使った。
すると今度は進撃の巨人の作者諌山創がそれに呼応する形で脚本家のアーレン・クルーガーの名前を使い、フクロウの本名に「クルーガー」を使った。
いかがでしょう?
現時点で私は作者諌山創と脚本家アーレン・クルーガーの接点を見つけることはできませんでした。
特にアーレン・クルーガーについては情報が少ないので、誰か詳しい方は教えてください。
信じるか信じないかは
関タクスゼイアンです。
おしまい