逃げた先に理想郷なんてありはしないんだ
久しぶりにブラック企業ネタ。
最近はすっかりブラック企業の中でも落ち着いた日々を過ごせるようになってきてしまいました。
というのも私の勤めるブラック企業は「電気設備工事屋」なのですが、私のみがなぜか「インテリアコーディネーター」の業務をやらされているからです。
つまり、会社全体で動いている業務と全く別の動きを私一人がさせられているため、私以外誰も私の業務について把握しておらず、私が勝手に予定を立てても誰もそれが本当に存在する業務なのかどうか判断できない状態なのです。
そう、社長でさえも私の業務を全く把握してません。
なのでホワイトボードに「○○様打合せ」と書いてしまえば、ブックオフに行こうが、海を見に行こうが全くの自由なのです。
自由、ああ、それはフリー。フリーダム。
なので最近の私は社長が事務所に来るときは打合せの予定にして外回り、社長がどっかいってるときは事務所、みたいにして、極力ストレスのない働き方ができるような環境を手に入れたのです。やったー。
とはいっても、この状態になるまではそれなりに大変でした。
なんせ誰もやってない業務をたったひとりでするわけですから、まさに暗中模索です。
もともとは社長が片手間にてきとーにやっていたので引継とか一切なく、私に丸投げでよこしてきました。
なので私は取引各所にさんざん怒られながらやっと自分一人ではじめから終わりまで業務を完了できる体制を作り上げたのです。
ブラック企業で働いていると、とかく潰されてしまいがちです。
もちろん会社と闘ったり、我慢したりなんてする必要はありません。
ダメな会社はずっとダメです。
逃げたらいいんです。
そんなうんこみたいな会社のためにカラダやココロを壊してしまっては本当に損です。
ブラック企業へのファーストチョイスは「辞めること」です。
まあブラック企業で働いてるとなかなかそのファーストチョイスを選ぶことも難しいとは思いますが。
ただ、私は言いたい。
逃げた先に理想郷はない、と。
自分が思い描く「理想の環境」のイメージがあるのならば、それを追い求めてさまよい歩くのではなく、まずは自分が今いる環境を自分の理想に近づけてみる、ということをやってみてください。
もちろん理想通りには絶対になりません。
ならないけれども「そこに向かって進む」という覚悟を決めることは決して無駄ではありません。
私がハルオサンと同じブラック企業で働いたときに得た金言があります。
「今自分がどこにいて、どこに向かっているのかを知りなさい」
これなかなか大切です。
そもそも目的地を決めないと絶対にそこにはたどり着けません。
私の目的地は「自分の好きに時間を使える生活」です。
あなたの目的地はありますか?
そもそも目的地がない、目的地とか考えたことがない人が多いように思います。
それではどこにもたどりつけません。
目的地を決めたら次は地図を手に入れます。
最短で簡単に行ける方法がわかっていれば目的地まで必ずたどり着くことができます。
最短で着けないにしても、少なくとも反対方向に進んで行くことは避けられます。
つまり
「目的地を決めて地図を手に入れる」
これができればそこまで行くのはそれほど難しくなくなるのです。
私は今、週休1日以下、年間休日70日以下、手取り20万円のブラック企業で働いています。
が、そこでもがいてあがいた結果、最近では7時には家に帰れるようになりました。もちろん毎日ではありませんが。
子供がまだ起きています。
なんならおふろもいっしょに入れます。
土曜日も1日外回りにしてずっと家にいることもあります。
全部おれががんばった結果だ、とドヤ顔するつもりはありませんが、少なくとも目的地を決めて地図を手に入れようとした結果ではあると思ってます。
今でも他の従業員たちは夜遅くまで仕事しています。
残業代はもちろん出ません。ブラックですから。
でも私が管理している事務所の人間はだいたい定時か遅くても1時間くらいの残業で帰るようになりました。
私が毎日そうするように言っているからです。
私も定時で帰るからです。
これはブラック企業社長とは全く真逆の指示です。
社長の指示に従って、社長の言うとおりにやっていたらこの2年足らずで入って辞めた社員は17人。
従業員20人くらいの規模の会社でこの数字は明らかに異常です。
でも今いるメンバーはみな半年以上続いています。
半年以上同じ業務に従事するとどうなるか。
当然慣れてきます。
今まで1日かかっていた業務を半日でこなせるようになります。
そうすると当然早く帰れるようになります。
今までは業務に慣れる前にみな辞めていきました。
そしてまた一から業務を教えなおす。
少し慣れたかな、と思うとまた辞める。
この繰り返しでした。
私はずっと思っていました。
「半年たてばあの人もこの人ももっと簡単に仕事できるようになったはずなのに」
そして私は事務所で言い続けました。
「社長の言うとおりにやる必要はない」
そして今年も6月が終わり半年が経ったとき、事務所の顔ぶれを見ると皆が半年勤めている人間になっていました。
私がすごいわけじゃありません。私がいい人間なのではありません。
私はただただなるべく早く帰りたかった。自分が。このおれが。
そのために自分ができることをした。
私が早く帰るためにはほかのメンバーが支障なく業務をこなしてくれることが必要だったのです。
誰かが何か問題を起こすと社長にストレスがたまります。
社長はそのストレスを私に話すことで発散しようとするのです。
社長は女房子供にある日突然逃げられて、ストレスを話せる相手が私以外にいないのです。ああかわいそう。カネ持っててもかわいそう。
私はもう帰れるのに、1時間でも2時間でも社長のストレス発散に付き合ってあげなければならなかったのです。
あるいは自分の業務の手を止めて、1時間でも2時間でも社長のストレス発散に付き合ってあげなければならなかったのです。当然仕事は残り、帰る時間は遅くなる。
今はこれがほぼなくなりました。
皆が半年いてくれて、業務を覚えてくれて、問題が激減したからです。
みんなありがとう。
もちろん今の状態が私の理想ではありません。
今はただインチキして自分だけうまいことやってるだけですから。
もっと堂々と胸張って自分の時間を自分の思い通りに使えるようになるために今はこの少し使えるようになった時間を使おうと思ってます。
ブラック企業を変えることは絶対にできません。
それを目的地にするとおそらく地図は手に入らないでしょう。
ブラック企業は辞めることが前提です。
ブラック企業を辞めるためには何が必要か。
次の収入減です。
転職先かもしれないし、ブログかもしれない。
私はこのブラック企業を変えるつもりは全くありません。
ただ1日も早く辞めるために
ブラック企業にいる間も少しでも自分の時間が使えるようにうまく作り変えてきました。
そして今日も会社でブログを書く。ししし。
次はわが栄光のブラック企業社長が業務の車を7台持ってる話を書こうと思います。
というか本当はそっちを書こうと思って書きはじめたんだけど、全然違う方向に話が進んでいったのでタイトルを変えた次第です。
おまえこそ全然目的地も地図も持ってないじゃん。ねえ。
おしまい。
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