メールチェックというムダでしかないシステム


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最近全然ブラック企業のぼやきを書いていなかったので、

久しぶりにひとつ書いてみようと思います。

 

この会社は電気工事業なのですが、様々な部門があります。

おおざっぱにいうと、店舗や施設などのLEDの工事を行うLED部門。

そして新築住宅の電気工事を行う住宅部門。

あと私がやっているインテリアコーディネートなどを行う内装事業部門。

 

大きく分けるとこの3つの部門があります。

そして例えばLED部門の中でも多くの取引先があります。

住宅メーカーでも10社くらい取引があります。

さらに内装事業でも取引先はたくさんあります。

 

ここのブラック企業にはメールアドレスがひとつしかない

でもこの会社にはメールアドレスがひとつしかありません。

なのですべての取引先からのメールが全てこのひとつのメールアドレスに送られてくるのです。

わかりづらいったらありゃしないです。

自分が必要なメールは1日何100件と送られてくるスパムも含む膨大なメールの中から選り分けなければならないのです。

 

なぜそんなシステムになってるのでしょう?

 

「ザ・マイクロマネジメントの男」

それは社長が「マイクロマネジメントの男」だからです。

マイクロマネジメントについてはまた別の機会に詳しく説明しようと思いますが、簡単に言うと「くだらない細部にまで異常にこだわり、全てを把握していないと不安で落ち着かないため、従業員の一挙手一投足すべてを把握しようとする仕事のやり方」のことです。

 

つまり「こうるさい」のです。

こうるさい。この「うるさい」の前についている「こ」がポイントです。

 

「こうるさい」の小物感半端ないです。

 

このこうるさい社長が全てを把握したいがためにメールアドレスはひとつしかないのです。

 

 

ひとつの会社にひとつしかメールアドレスがないとどうなるか

まず、全社員が同じメールフォルダを見られるようにしないといけません。

そうするとさっきも言ったように自分の業務に全く関係ない膨大なメールの中から自分あてのメールを探さなければなりません。

この作業だけでもまずムダです。

 

今度は「全員が同じメールを確認している」という前提が生まれます。

つまり「自分に関係ないメールでも内容は目を通しておくのが当たり前」というミッションが課せられます。

インテリアコーディネーター(自称)なのに、工場のLED工事の日程とかいちおう知っておかないといけないのです。

こうなってくるとムダという範囲を超えて完全に無意味な業務を増やされています。

私には工場の工事は全く関係ないのに覚えておくなりメモしておくなりして多少なりとも把握しておかなければならないのです。

 

その代わり他の誰も私のインテリアコーディネートの業務は把握してくれません。

電気工事業とあまりにかけ離れているため、マジで全く関係ないからです。

 

つまり私だけがなぜか意味のない業務を増やされているのです。

 

さすがにこれに関してはもう把握するのをやめました。

 

きちんと担当者が把握していれば問題ないですし、

知らなかったら怒られて終わりだからです。

全部把握する業務量の負担増と怒られるリスクを比べた場合、怒られた方が圧倒的に楽だからです。うわー、この感じ、自分で書いててすげーブラック感ある。

 

「怒られた方が圧倒的に楽」

 

って仕事やりません、怒られます、って宣言してるのと同じですもんね。ヤバいですね。あらためて。

 

そして肝心なところは「社長が全てのメールを把握したがる」というところです。

ただし、社長は「忙しすぎていちいちメール見てる時間はない」のだそうです。

 

じゃあ、把握できないじゃん。

できないことやろうとすんな。

 

と言いたいところですが、まあそんなこといくらやんわり言っても社長は全く従業員の意見を聞き入れないと心に固く誓っているフシがありますので、とにかく絶対にこちらの提案が通ることはありません。

もし提案通りに進んだとしても、それは提案を受け入れたのではなく、社長が勝手に自発的にそうすることにしただけで、従業員の話を聞いたわけではないです。

 

「それ、おれが前に提案したやつじゃん」

 

と思うことはままありますが、たいてい私が提案したことは全く覚えていません。

全部自分のアイデアです。自分が決めたことです。

 

というわけで「メールを把握したい」という社長の思いは絶対なので、私は考えました。

 

「メールチェック」という仕組みを。

 

「メールチェック」っていったいなんなのさ

簡単に言うと

メールを全部書き出した表を作る、ということです。

時間、発信者、件名、大まかな内容などをリストに書くことにしました。

 

この作業をすると必要のないメールを見なくてよくなります。

こっちがメールを送って、向こうから「ありがとうございます」みたいな返信が来ても本来はそれは読む必要はまったくないです。

でもそれが100社から一斉に送られてくるともう業務に支障をきたすレベルです。

あとスパム。

これを排除してリスト化するだけでもだいぶすっきりします。

そんで各担当者レベルで済ませるようなことも排除。

すると、1日何百件ときていたメールが社長に渡すリストになったときには3割くらいに減っているのです。

 

これなら把握できるよね、こうるさい男さん。

 

というわけでこの会社には「メールチェック」というムダな業務があります。

 

 

ところがどっこい、落とし穴がありました

 こうしてしばらくは担当者が各自バラバラに社長に確認取っていたメールのお伺い作業が一括され、しかも社長自身がチェックしなければならないメールの量もぐんと減ったので平和になりました。

 

 

しかし事件は起こります。

社長にチェックしてもらわなければならないメールがこぼれ落ちていたのです。

これは担当者の落ち度です。

そもそもこのブラック企業に入社してくる新参者はエクセルを全く触ったことがない人が半分くらい入ってきます。もちろん新卒じゃないです。

 

私にしてみるとエクセル触ったことがないなんてちょっと信じられないです。

 

いったいなんのお仕事なさっていたの?と思っちゃいます。

 

もちろんエクセルが仕事のすべてではないですが、今までどういう仕事をしていたのか推し量るための基準にはなります。

つまり事務作業をしたことがない、ということです。

で、新たに取引先名もわからない、電気のことなんてピカチュウしか知らない、みたいなひとがメールチェックをさせられます。

非常にめんどうなのに完全に無駄な作業であることは誰もがわかっているので、みんなとにかくメールチェック担当から逃げようとするからです。

 

すると社長が今度はこう言い出します。

 

「全部のメールをリストに書け」

 

せっかくこっちが業務の省力化、効率化を図って導入したシステムがすべて水の泡です。

 

そして膨大な量のメールチェックリストをみて社長はこう言います。

 

「むーさん、これ全部おれがチェックしなきゃいけないの?(キレてる)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまえがそうしろって言ったんじゃねえかーーーーーーーーーーーーーー!!

 

ぼけてんのか?なめてんのか?いみわっかんねえ! てめえが全部チェックするんだよ!したいんだろ?四の五の言わずにとっととメールチェックしろよ、このハゲ!(ハゲではない、ふっさふさ)

 

そして、メールチェックで毎日怒られる担当者は半年たたずに去っていく。

そして、また新たにエクセル使ったことないやつが入ってくる。

そして、また私がメールチェックをそいつに仕込む。

そして、またそいつがメールを取りこぼす。

そして、また社長がメール全部書け、と怒鳴る。

そして、また社長が「これ全部おれがチェックしなきゃいけないの?」とキレる。

そして、またおれがキレる(心の中です)。

そして、メールチェックで毎日怒られる担当者は半年たたずに去っていく。

そして、また新たにエクセル使ったことないやつが入って(以下略)

 

という無限ループをもうどれくらい私は繰り返しているんだろう・・・。

 

社長、事務職で雇うならせめてエクセルは使える人にしよう。

エクセル使えることに少し余分に給料乗せてやってもいいよ。

な?たまにはおれのはなしを

 

 

 

 

おれの

 

 

おれの

 

 

 

おれのはなしをきっけえええええええええ!

 

5分だけでもいいいいいいいいいいいいいい!

 

 

 

こんなつまらないぼやきに3340文字も費やしてしまった・・・。

 

なんてつまらない記事ができたんだろうと反省しながら今回は締めたいと思います。

 

 

現場からは以上でーす。

 

 

おしまい

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