ドラゴンボールはジャンプの悪しき時代の産物だ おもしろいわけがない

 

「ドラゴンボールハラスメント」なる

一見しただけではよく意味の分からない単語が話題になっている。

 

元ネタはこちらのようだ。

liginc.co.jp

 

 

コンテンツ制作にかかわる仕事をしている筆者が

先輩から「ドラゴンボール読んだことないなんてコンテンツ制作に携わる者としてありえない」と言われ、全巻読んでみた感想が綴られている。

 

私自身は1972年生まれのもろに「ドラゴンボール世代」で

というよりは「少年ジャンプ黄金期」世代である。

ジャンプは公式には火曜日発売であったが

当時はなぜか町にひとつかふたつ、ジャンプを土曜日に販売している店舗があった。

私は少しでも早く少年ジャンプの最新号を読みたいがために

わざわざ予約して毎週土曜日、最新号を買い求めた。

 

当時「キン肉マン」「北斗の拳」「キャプテン翼」があり

「聖闘士星矢」「ジョジョの奇妙な冒険」も始まったころだ。

まだ「コブラ」も連載してたし、もちろん「こち亀(おれらは派出所と呼んでた)」もやってた。

 

そんな「少年ジャンプ狂」「少年ジャンプ中毒」ともいえる

少年時代を過ごした私からもあえて一言いわせてもらおうと

今この記事を書いている。

 

 

 

当時のジャンプ狂少年の私は

「ドラゴンボールをおもしろいと全く思わなかった」

 

なので、炎上したドラハラ記事の彼の言い分は至極まっとうだし

そもそも「ドラゴンボール読んでないとかありえん」という先輩の感性は

私にとってはどうなの?と疑問を抱かずにはいられない。

 

先輩よ、むしろあなたこそ

「世界中でこんなに愛されてるんだからおもしろいに違いない」

という先入観の元「ドラゴンボール」を評価していないですか?

 

コンテンツ制作に携わる先輩としての後輩への指導として

「ドラゴンボール」は人気でカネになるコンテンツだが

作品への評価は自分でするべき、そのためにはやはり読む必要がある

というのがコンテンツ制作に携わる人間のあるべき姿勢ではないか。

 

 

 

そもそも黄金時代のジャンプの方針は本当にクソだった

この当時の目玉コンテンツといえば

「キャプテン翼」「北斗の拳」そして「キン肉マン」だったのは疑いもないところだ。

もちろん「ドラゴンボール」もそうである。

これらの「ジャンプ黄金期」のコンテンツには共通してダメなところがある。

 

そう、今さら私が指摘するまでもなく

「人気がなくなるまで連載させる」という当時のジャンプの方針だ。

 

基本的にどの作品も戦うべき相手がいて

その相手が登場する当初はとてつもないレベルの差がある相手として描かれる。

そして主人公がさらなる能力の向上を果たし

全く歯が立たないと思われた相手を最終的に僅差で下す。

するとそのエピソードは本来そこで一区切りつくのだが

連載している以上次号も当然話が続かなければならない。

その時の手法がまず間違いなく

「前回必死で倒した敵を指一本で倒すほどの強敵が現れる」

というもの。

 

すると結果として「強さのインフレ」が起き、

はじめの強敵が相対的にそのうちクソみたいに弱い状態になる。

 

先にあげた黄金期の漫画全部がその状態だった。

正直描いてる本人たちも

「もう辞めたい」

「せっかくこんなによく描けた作品を汚すようなことはもうしたくない」

と思っていたでしょうし、訴えてもいたでしょう。

 

でもジャンプ側の答えは必ずこうだったはずです。

「もうちょっとだけお願いします」

この方針でどれだけの素晴らしいマンガが最後クソに成り果ててしまったことか。

 

結果、強すぎる敵がどんどん登場し、最後マンネリ、ワンパターンが常態化することとなり、そもそもコンテンツが命の漫画雑誌を自らの手でコンテンツを壊していったのだ。

 

鳥山明の、ドラゴンボールのすごさは

この悪しき習慣を無理やり打ち砕いたところだ。

 

ドラゴンボールのあの最終回、あなたはどう感じましたか?

あれが最高におもしろい漫画の終わり方でしょうか?

 

ああいう形でドラゴンボールを終わらせざるを得なかった鳥山明。

でもこれまでジャンプに集英社に多大なる貢献をしていた鳥山明。

その鳥山明だからこそ、あの終わらせ方をジャンプ側も呑んだのだろう。

 

そうやって「インフレワンパターンコンテンツ」から無理やり大事な作品を抜け出させたのが鳥山明のすごさ。

そして正直週間連載ではドラゴンボールの「ギャグ漫画」カテゴリでのページ数の少なさにより、毎週毎週、悟空と敵が「だだだだだだだだ!」「ややややややややや!」

「ドーン!」「バシッ!」以下次号。的な展開。だいたい毎週がこの展開。

これが全く面白くないのだ。

 

だから私はたくさんの漫画を集めていたのだが、ドラゴンボールだけは40過ぎになるまでコミックスを一度も買ったことがなかった。

 

おもしろいとおもったことがなかったからだ。

 

しかし私も炎上の見習いエディターの彼と同じく

「ドラゴンボール」ってこんなにずっと愛されてんだからおもしろいのかも

と思い、40歳を過ぎてから、今から5年ほど前に

はじめて単行本で改めて読んでみた。

 

もちろんフリーザもセルも魔人ブウも全部現役(?)の時に読んで知っていた話だった。そこには目新しさは全くなかったし、この先どうなるのかもだいたいはわかっていた。わかっていながら読み進めていった。

 

すると、当時毎週1話ずつ読んでいたのとは全く読みごたえが違う。

 

おもしろいのである。

 

そこで私は初めて「ドラゴンボール」のおもしろさと

鳥山明のすごさを思い知った。

 

つまり鳥山明は自らも公言している通り、ドラゴンボールを「いきあたりばったり」で描いているのにもかかわらず、まとめて読んだとききちんと大きな矛盾なくまとめることができるストーリーテラーとしての能力の高さを見せつけているのだ。

 

そしてそれがドラゴンボールのおもしろさを作っているのだ。

 

正直私はあんなに好きだった「キン肉マン」も「北斗の拳」も「キャプテン翼」も「聖闘士星矢」もどんなふうに終わったのか全く記憶にない。

 

この作品たちが本当に素晴らしい終わり方をしていたら

どの作品も私の少年時代の宝物としてずっとずっと大切に今も心の中に生き続けただろう。

 

 

それをさせなかったのはジャンプ編集部の大人だ。

 

いや、直接編集に携わっている人たちはそのへんのジレンマを抱えていただろう。

それは想像に難くない。

 

そう、本当に責を負うべきは集英社の経営陣だ。

あいつらはバカだ。

 

コンテンツを金儲けの道具としてしかみなさず、結果コンテンツのおもしろさそのものを破壊し、最後は金儲けさえ覚束ない。

マンガはね、こうやって私もコンテンツコンテンツ言ってるけどもね、作品なんだよ。

 

もっかい言おう。

 

マンガは作品なんだよ

 

それを金儲けのためだけに延命させて、結果ウンコにしてしまうなんて。

もうほんとに罪深い。

 

しかも集英社の社員でも、ジャンプの編集者でもなんでもない、

ただのジャンプ狂の少年にもこの事実が透けて見えているのだから、いよいよこいつらは救いようのない大罪人だ。消えてなくなってしまえばいいのに。

せめて鳥山明や原哲夫や高橋陽一とかに謝れ。

 

 

このようにして

いわばある意味現在の「ブラック企業」にも通じるマンガ生産の現場があったわけで、そういった「金儲け至上主義の大人たち」の犠牲になった作品の代表格として「ドラゴンボール」という作品があるという側面は覚えておいてもいいかもしれない。

 

マンガ以外にも娯楽の多い現在において、このような現場から生まれ出たドラゴンボールを「たいしておもしろくない」という感想を持つ人がいても全く不思議なことではないと私は思う。

 

 

ジャンプのクソ時代にまさに風穴を開けた伝説のマンガ

ドラゴンボールはジャンプ全盛のクソ時代に、鳥山明というある意味権力者が、集英社という巨大組織に抗いながら、それでも作品を守るため、自分を守るため終わらせた構成があることを今まで述べた。

 

さらに

もっとものすごい風穴を開けたマンガがある。

 

そう、「スラムダンク」である。

 

なんと最強「山王工業」を下した弱小湘北バスケ部は、あっさり次の愛和学院との試合に敗れ、しかもその愛和との試合は一切描かれず、いきなり連載終了である。

 

この最終回は本当によく覚えている。

 

時代は変わった、と思った。

 

「キン肉マン」も「北斗の拳」もみんなみんなこうやって「オリジナルなエンディング」を飾ってほしかった。

 

作品を幾世代にも渡って輝かせ続けるような、そんな最高のエンディングを作って欲しかった。

 

 

まあ、「キン肉マン」はもうすべての設定がずっと破綻しまくるマンガだからまあ最高のエンディングとか無理っぽいけど。

 

 

 

 

というわけで、おっさんはこう言いたい。

 

「おまえスラムダンク読んだことないとかありえないから」

 

 

 

 

という「スラムダンクハラスメント」で今回締めくくります。

 

 

 

おしまい

 

それにしても野沢雅子は後継者問題解決してよかったよね。


カーナビ アイデンティティ

 

こいつマジでホンモノと区別がつかない。すごい。

 

 

 

 

こちらの記事はなんか言おうと思ったけどもう書きすぎたから保留にした記事です。

citrus-net.jp

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