国会で偽のデータを示したことによりにわかに「裁量労働制」について様々なところで取り上げられています。
詳しくは以下の記事などを参照してください。
裁量労働制とはこういう制度(佐々木亮) - 個人 - Yahoo!ニュース
今回いろんな裁量労働制についての記事を読んでみたところ、いつもいつも手取り20万で週休1日以下を猛アピールしている私ですが、どうやら私はすでに「裁量労働制」が勝手に適用されているようです。
なぜなら私の働きっぷりといったらまさに「定額働かせ放題」だからです。
日をまたぐまで残業しようが、日曜日出勤しようが、支払われる賃金は全く変わらないからです。
そもそも日曜日しか休みがない、祝日なんてもちろん休みじゃない、という制度がすでに働かせすぎなのですが、それに加えて残業代も時間外手当もないなんて、企業側にとってはこんなにありがたい制度はありません。
なぜ安倍首相はこんな「ブラック企業推進法」ともいえるような制度を導入したがるのでしょうか。
「働き方改革」ではなく「働かせ方改革」です。
経済活動の行き着くところは「ちょっと働いてたくさん金をもらう」だと思う
そもそも「より多くの時間働かせればより多くの成果が出る」という考え方自体が幻想です。
企業の活動というのは「いかに効率よく少しでも多くの利益を得るか」を目指すのが本来の形です。
極端な言い方をすると「まったく働かないのに利益だけはばんばん上がっていく」という状態が全ての経済活動の究極であり理想の形であるはずです。
ほとんどの経営者はここを勘違いしています。
つまり「いかに対価を支払わずに多くの人を長い時間働かせられるか」ばかりを考えているのです。
それは「長い時間働く」=「利益(売上)が上がる」だと勘違いしているからです。
経営者が考えるべきはいかに長く働かせるかではなく、いかに働かないで儲かる仕組みを作るか、です。
ただ、経営者として成功する人のメンタリティーはまったく違います。
多くの起業した経営者は「他人より長い時間働いて」独立・起業し、現在の地位なり規模を築いた人が多いからです。
彼らの成功体験は「他人より長く働けば必ず成果が出る」というものです。
たしかにそれは成功するための、言い換えれば他人よりより多くのお金を手にするためのひとつの手段ではあるでしょう。
他人と比較して能力が特別高いわけでもなく、勝手にお金を生み出すようなシステムを手にしているわけでもない場合は、単純に他人が10の成果を出すところを自分だけが長時間働くことにより12の成果を得ていけば、それは期間が長くなればなるほど得られる成果が多くなることを意味するからです。
ここで得られた成功体験から多くの経営者たちの得られた理論は「能力が秀でているかどうかはなかなかわからないが、他人より長時間働くことは誰にでもできるはず」というものです。
だから自分が人を雇う立場になったときに「長時間働くこと」を従業員に求めるわけです。
長い時間働いたって成果なんか出ない
働いているあなたならわかると思いますが、長時間働かされることはまさに「百害あって一利なし」です。
先ほども述べたとおり、経済活動の究極の理想はいかに働かずに多くの利益を上げるかに尽きます。
経営者になった途端にこの本分をすっかり忘れ、いかに安い賃金でいかに多くの時間働かせ続けるか、つまりいかに従業員をこき使うか、ということだけに思考を奪われてしまう経営者がほとんどです。
この時点でその企業は「効率的に利益をあげる」という企業が続いていくうえで欠かせない要素からどんどん離れていくわけです。
長い時間働かせる
↓
従業員は心身ともに疲れる
↓
いいパフォーマンスができなくなる(効率が悪くなる)
↓
同じ業務量をこなすのにより時間がかかるように
↓
さらに長時間働くことに
↓
さらに疲れる
↓
ついに心身を病む
↓
辞める
こういった悪循環を生み出すわけです。
これはもう単純に労働時間と労働量と賃金がまったく見合わない状態です。
これで「いかに働かずにいかに利益を出すか」なーんて言ったところで
「おまえ、どの口が言ってんだ」
と反発されるだけです。
少ない労働で高い利益を出すためには従業員のモチベーションアップが大事
企業は本来の目的である「少ない労働、高い利益」を追及していくべきです。
従業員なんか出社しなくていいです。
家にいようが温泉行こうがマンガ読んでようが何しててもいいです。
会社に来なければ電気代もかからないし
そもそも事務所自体必要なくなるかもしれません。
成果だけ求めればいいはずです。
もちろん新卒者には教育とか必要だし、中途であってもOJTは必要で、事務処理もしなきゃいけないし、登記上も会社のアドレスは必要なので、「オフィスがない」という状態を作るのは難しいですが、究極求めていくところはそこです。
オフィスなんて経費がかかるだけです。
カネのムダです。
それよりも経営者が求めるのは「従業員により多くの成果を達成させること」です。
つまり放っておいても従業員が120%力を出してしまうようなシステムを構築することが経営者に求められることです。
つまり拘束時間に対して金を払うのではなく、成果に対して金を払えばいいのです。
「定額働かせ放題」ならこっちだって「定額さぼり放題」で対抗してやる
意味なく定時で拘束するのはムダです。
朝6時に来ることが業務上必要なら6時にくればいい。
そのかわり早く帰ればいい。
深夜2時に仕事があるならやればいい。
次の日は寝てなさい。
今月1日も休めないくらい業務量が多いのならば
来月は2週間くらい休んでしまえ。
成果を出すために必要であればすればいいし、
逆に成果に対しての報酬が必要ないならそんなに働かなくてもいい。
バリバリ休みなく働いてたくさんお金欲しいやつは休まないで働けばいい。
のんびり仕事してそこそこの給料で十分ならたいして働かなくていい。
全ては結果とそれに対しての報酬です。
毎日朝一番に来て日付変わってから帰るヤツがいちばん成果を上げるわけではないです。
そんなヤツはまず間違いなく仕事ができません。
効率が悪すぎます。ムダが多い。
私は今会社でこの記事を書いてます。
今2300文字。1時間は書いてるかな。
今週は月曜日めちゃくちゃ忙しかったけど、根詰めて片付けて行ったら逆に今週の残りの日はやることが全くなくなってしまいました。
それなのになぜ私は毎日決まった時間に会社に来なくちゃいけないんでしょうか。
意味が解りません。
このあいている時間を次の業務に充てるかどうかは全て従業員である私のモチベーションにかかっています。
どんだけやっても全く給料はあがりませんので、さっさとやるべきことを終わらせてもっと自分の利益になることに時間を使うようになるのです。
現状「定額働かせ放題」の私は選択肢は一つしかありません。
どうやってなるべく働かないようにするかを考えて実行する
これだけです。
ところが、もし成果報酬が出るのなら私にはふたつ選択肢が発生します。
1.もっと働いて成果を上げる
2.今月はもう十分だから休む
どちらを選択するにしても会社にとって損はありません。
休んでも次の業務のパフォーマンスは間違いなく上がるからです。
というわけで今週は「定額サボり放題」で対応します。
さらに土曜日も休んで今週は週休2日にします。
いやー、ラッキー。
・・・・・。
・・・・・・・。
いや、週休2日とか普通じゃん。
マジどんだけ社畜なんでしょうか、私。
哀しい。
「定額働かせ放題」にするならその「定額」についてはそこそこの料金設定にしてほしい
まあ「定額働かせ放題」でもいいでしょう。
今そうだし。
でも手取り20万円は勘弁してください。
「定額」についてはもっと検討してください。
今の倍もらえるんだったら「定額」でもまあいいです。
たのむよ、社長。
おしまい