コンセント1個増やして6万円?マンションオプション販売会の裏側


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私はインテリアコーディネーター的な業務を行っています。

普段は提携のハウスメーカーで家を建てるお客様に照明・カーテン・家具などの、「家を建てるときには必要だけど、家を買っても付いてこないモノ」をご提案して契約を取ってくる仕事をしているわけです。

 

わが栄光のブラック企業社長が、よくわからん人脈を駆使して新たな仕事を取ってきてまいりました。

 

それは

「新築マンションのオプション販売会」

という仕事です。

 

わが栄光のブラック企業はただの電気工事屋さんなので

インテリアとかオプションとかの業務をこなせる人間はいません。

半分以上は職人で毎日せっせと電気をつけたり配線したりしてます。

残りは図面用意したり工事の工程確認したりといった事務作業をしています。

だから誰も打合せとか契約取ってくるとか、いわゆる「営業」という業務をこなしている人間はいないのです。

 

私以外には。

 

もうおわかりと思いますが

私に「新築マンションのオプション販売会」なる業務が割り振られました。

なんだかわけがわかりません。

 

そもそもハウスメーカーのインテリアコーディネーター的業務でさえ、私は何もわからないのです。

3回ほど社長と打ち合わせに同行して、横で話をただ聞いて、急に

 

「むーさん、あとひとりでできるよね」

 

の一言でぜんぶ丸投げです。引継とか一切なしです。

 

私がお客様と打ち合わせして無事カーテンの契約をいただくと、カーテン工事も私の業務です。

カーテンなんか吊ったらいいだけじゃん、と思うかもしれません。

そんなの誰だってできる、簡単だ、と。

 

しかし新築のおうちにはカーテンレールがついていません。

カーテン発注して吊ったらいいのではなく、カーテンレールを取り付けなきゃいけないのです。

ビスで新築の貼り終えたばかりのほかほかの壁紙に穴を開けるのです。

40年以上一度もインパクト(電動ドライバーのこと)を持ったことがない人間に、それをやらせるのです。このブラック企業は。

カーテン工事も打ち合わせと同じで、3回くらい一緒に取付しに行って、

「むーさん、ここの寸法はこうだから」

などの説明だけで

 

「むーさん、あとひとりでできるよね」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

できるか、ボケ!

 

というわけで

私は何度も現場監督をはじめいろんなひとにお叱りを受けました。

それはもうつらかったです。

何より率先して怒るのはこのブラック企業社長です。

 

意味わかりません。

 

できるわけねえだろ!

 

 

ただ、3ヵ月くらいでできるようになりました。

今では1軒分つけるのに実質1時間くらいでつけられます。

 

前置きが長くなりましたがここからが本番です。

 

2日間で1000万円のご契約

ひとつ付け足しておくと

私は「インテリアコーディネーター」の資格を持っていません。

あたりまえです。

ただたんにブラック企業で業務を丸投げされてるだけなんですから。

持っているわけがありません。

 

そしてそんな私が「新築マンションのオプション販売会」に駆り出されることとなりました。

おかげさまで打合せ自体は場数をこなしていますので

契約を取ることはさほど難しい業務ではありません。

 

私と相棒の実質2人で2日で約1000万円受注取りました。

 

ちなみにこの時私は冗談ぽくブラック企業クソ社長に

 

「社長、ボーナスとかくださいよ」

 

と言ってみたところ、クソ社長の返答は

 

「バカいってんじゃないよ」

 

私はこの会社で一度もボーナスをもらったことがありません。

いつもなんだかんだではぐらかしごまかし、

時には直球でボーナスなんかない、と言い放ちます。マジクソです。

 

 

コンセント1個増やすと6万円かかるというものすごいぼったくり

f:id:toritamegoro:20180224151322p:plainこれが2口コンセントですよ

 

 

 

2日で1000万契約取るとかすげえじゃん!

と思って頂ける方もいるかもしれません。

 

でもこれはそんなに難しくないのです。

 

なぜならぼったくりだからです。

 

この物件、地元の有名な観光地のアドレスを掲げ

要はちょっとしたブランディングして高い値段つけて売ってる物件なのです。

 

例えて言うならこんな感じです。

 

「パークサイド表参道」

「六本木ヒルサイズ」

 

なんかちがうなー。パチもんみたくなっちゃったなあ。

 

まあとにかくちょっと高めにして売ったれ、というのが大まかなコンセプトです。

そして私が今行っている「オプション販売会」は、建築にかかわる部分、つまりコンセントとかドアとかキッチンとか浴室の仕様をお金出してグレードアップしていこうではないか、という提案をしてるわけです。

 

その価格設定が無茶です。

例えばキッチンの天板をグレードアップすると864,000円かかります。

天板換えるだけですよ?

バカか。

 

そしていよいよ本題のコンセントの増設。

2口コンセントを1ヶ所増設するだけで23,760円です。

さらに増設するためには「エントリー料」なる謎の申込料がかかります。

このエントリー料が35,640円です。

つまり

 

2口コンセント1ヶ所の増設にかかる費用は合計で59,400円です。約6万円なわけです。

 

というわけで、2日で1000万も契約が取れるわけです。

 

だってぼったくってるだけだもん。

 

おとうさんはぼったくりの仕事なんかしたくない

今日も打ち合わせがありました。

 

お客様は聞いてきました。

「コンセント高くないですか?迷ってるんですけど」

 

私はこう言いました。

「高すぎます。ぼったくりなので、見た目にはガマンしていただくようになりますが延長コードで対応してください。契約しないでください」

 

そして本日の打ち合わせは10分で終了。

 

他にも洗面台のなんかLEDのライト仕込むのとか、10年間お掃除しなくていいレンジフードとかもご希望がありましたが、

 

「高いからやめろ」

 

とおすすめして一蹴しました。

 

お客様は正直な私をとても信頼してくださり

「信頼できる方に担当してもらえてよかった、カーテンとかにお金かけます」

と言ってくれました。

 

1円も歩合もらえない、1円も時間外手当も出ない、ボーナスも一切もらえない仕事のために、自分の業務を増やす契約をあえてとるほど私は愚かではありません。

それにぼったくりの片棒担ぐのもまっぴらごめんです。

ちなみにいつものハウスメーカーの2口コンセント増設費用は2500円です。

モノは同じです。こんなの高級にしようがない。

 

私は業務が減る。

ブラック企業社長は私に「ボーナスくれ」と詰め寄られないですむ。

お客さんには信頼される。

次に私がおすすめする商品は間違いなく買ってくれるでしょう。

 

めでたしめでたし、以外の言葉は思いつきません。

 

 

おい、そこの経営者、よく聞けよ

ふつーにやれば私は2日で1000万の契約取ってこれます。

でも社長の一言

「ボーナスなんてバカ言ってんじゃない」

により、現在私は全てのお客様になるべく契約を減らす方法で話を進めています。

だって契約増えれば増えるほどマジでおれの業務めんどくさいんだもん。

マジで家に帰れなくなるんだもん。

それでインセンティブも残業代もボーナスもないんだったらこうなります。

 

もしあなたが経営者ならこの記事よく読んでくださいね。

ちゃんと成果に対してなんらかの報酬をきちんと出せば

従業員はいい働きをしますよ。

 

おまえんとこの社員が仕事しないのならそれはおまえのせいだから。クソが。このボケ。ちっとは反省しやがれ。

 

とっととつぶしてしまえそんな会社。

 

やさぐれてしまってすみません。

 

おしまい

 

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