タニタの社長さんがいいこと言ってました。
要するに
怠け者はとにかくなるべく仕事をしなくていいように考えて考え抜くから最終的にはものすごく効率のいいシステムを生み出す、ということです。
まったくそのとおりです。
資本主義経済において最も重要なことは
いかに少ない仕事量で最大の利益を出すか、に尽きると思います。
つまり効率です。
その意味において
えんえんと残業をさせるとか、休みなく働かせるというのは
いかに非効率的かということかわかります。
経営者にとってはある意味いかに少ないコスト(給料)でいかに長く労働させるか、という観点において一見効率がいいように見えますが、それは完全に見せかけです。
極端に言うと
全く仕事をしないのに毎日お金が入ってくる状態を作ることが資本主義経済において究極のシステムです。
社員を安い賃金で長時間労働させることはまったく意味がないのです。
求めるべきは数人の従業員を使って効率の良い利益化のシステムを作った後、最終的には従業員が一人もいなくても利益が上がるようにして、全ての従業員を解雇してしまうのが理想です。
人件費1円も払わないで利益が上がるならこんなにいいことはないです。
でもなかなかこういう発想ができる経営者はいません。
なぜなら
「5人でこれだけの利益が出せるんだから10人いれば利益は倍になるはずだ」
と誰もが考えるからです。
これは完全に幻想で、人員を倍増させても利益は倍増しません。
なぜなら人員を増やすと必ず1人当たりの労働が分散して少なくなるからです。
5人で500の結果の仕事をしていたものを10人に増やしても、人員が増えたことによってひとりあたまの仕事量が70くらいに減ってしまい、結果10人で700くらいにしかならないからです。
これはおそらく理解している経営者の方が多いのでしょう。
だから人員を増やさず、単に仕事量を増やして、5人で500のところを5人で700求めてきます。
すると必然的にひとりあたまの業務量が増えます。
結果残業したり休日返上したりして従業員の負担が増えます。
こうして立派なブラック企業の完成です。
そして高負荷の業務を強いられた従業員は、あるものはカラダを壊し、あるものはココロを壊し、あるものはやる気がなくなり、あるものはサボりだし、結局ほとんどの従業員がいなくなってしまうか、まともに結果を出さなくなります。
すると5人で500だったものが2人で700求められるようになり、当然ですがそんな結果は出せるはずもなく、2人で200も出せなくなります。
こうして悪循環が始まっていくのです。
考えなければならないのはいかにサボるか
一見矛盾しているように思えますが、「どうやったらサボれるか」を考える従業員ほど効率の最大化を図れる従業員です。
たとえば始めは100の業務を10日でこなしているとします。
慣れてきたりしてだんだん100の業務を7日でこなせるようになってきます。
そこで怠け者の従業員はもっと簡単に早く業務がこなせないかたくさん考えます。
考えて考えて全てのムダっぽい作業や時間がかかる作業の短縮化効率化を行っていきます。
そうすると100の業務を1日でこなせるようになります。
これすごいです。
なんと10倍の仕事量をこなせるようになっているのです。
ここまで極端になることは稀ですが、例えば3分の1くらい業務時間を短縮することは比較的簡単です。
で、ここからが分かれ道です。
その会社がどんな会社なのか、その経営者がどんな経営者なのかで、怠け者従業員の今後の働き方が変わってきます。
従業員にとってとてもいい経営者・会社の場合は
怠け者従業員は余った時間を新しい業務をこなすことに費やします。
なぜなら成果を上げれば上げるほど自分の取り分、つまり給料が上がるからです。
そして従業員にとって悪い経営者・会社の場合は
怠け者従業員は余った時間をなんとなく過ごすことに費やします。
つまりサボるのです。
なぜならいくら成果を上げてもまったく給料が上がらないからです。
やるだけ損です。
やってもやらなくても給料が上がらないなら、やらない方が得です。
それが資本主義経済において至上の考え方だからです。
効率が悪いこと、つまり非効率的なことは徹底的に排除するのが資本主義経済においての正しいやり方です。
経営者はこういう従業員のモチベーションをうまく操らなければいけないです。
いっぱい働いたらいっぱいお金上げないと。
ねえ、社長。
私は今思いっきり就業時間中に会社のパソコンでブログ書いてます。
最近は会社で仕事している時間より会社でブログ書いている時間の方が長いです。
私は最大の効率化を求めていった結果、
会社でブログを書く時間の方が長くても
全く業務に支障がでない状態になりました。
社長、おれすごいでしょ?
この時間おれがあんたの仕事するのに充ててくれたらもっと会社儲かるのにね。
ちゃんと給料払ってくれたらもっと結果出しに行くのにね。
残念だったね、社長。
あなたもどうやったらサボれるのか一生懸命考えてみてください。
そしたらブラック企業でもココロもカラダも壊さずにやっていけるかもしれません。
おしまい